沖縄は日本の最も南に位置する地域であり、日本の他の地域と比べると非常に特徴的な気候風土です。そのため、そこでの家づくりも気候風土などを踏まえて、上手にそれに合わせて計画していくことが住まいづくりを成功させるためにとても大切なことになります。そこで今回は、沖縄で上手に家づくりをしていくための基本知識を紹介していきたいと思います。地域の伝統的な住宅づくりも参考にしながら、快適に長く住み続けられる住まいにしてみて下さい!
沖縄で家づくりをしていく前にまず知っておきたいことは、沖縄の住宅のほとんどがコンクリート造であることです。これは、毎年のように10近くの台風が沖縄に接近するため、より強固な建物が求められていることなどによります。木造とコンクリート造の住宅では家づくりのポイントや住まいの特徴も異なってきますので、一度コンクリート造住宅についての基本情報を確認しておきましょう。それについては、「RC造(鉄筋コンクリート造)と木造、それぞれのメリットとは?」も是非参考にしてみて下さい。
沖縄の気温は冬の間でも10℃を下回ることがほとんどなく、夏は最高気温が30℃を越える日が年100日以上になることもあるなど、一年を通して非常に暖かくなります。また、降水量も梅雨や台風によって全国平均の年間約1600mmよりも多い約2000mmになります。沖縄での家づくりにおいては、こうした高温多雨、そして台風の強風を考慮していくことが重要になります。次からは、そうした家づくりのポイントを見ていきましょう。
日差しの強い夏が長く続く沖縄では、日射対策をきちんと行っていくことが快適な室内空間にするために必要であるとともに、冷房の消費電力を抑える省エネ対策にもつながります。地域の伝統的な方法にも雨端(アマハジ)や庇を用いる日射対策がありますし、その他にもルーバーや緑を用いて日射を遮蔽することもできます。コンクリート造となると、コンクリートが昼間に日射熱を蓄えて、夜間にその熱を放射することで室内が暑くなり寝つけないことも出てきますので、日射対策は開口部だけでなく、壁や屋根についても行っていきましょう。
写真:中村絵
沖縄の年間平均湿度は74%(東京の年間平均湿度は62%)と、年間を通じて湿度が高い日が続きます。そのため、沖縄での家づくりでは湿気対策が欠かせません。気温が高い中で湿度も高いと、不快に感じてしまうだけでなく、カビさらにはダニが発生してしまい、アレルギーや喘息といった健康被害が出てきてしまう可能性もあります。先程述べたように、家の通気性を良くしていくこと、さらには木材や漆喰といった調湿効果のある素材を取り入れることも積極的に行ってみて下さい。
沖縄には多くの台風が上陸・接近してくるだけでなく、勢力が強いまま近づいてくることから、家づくりにおいてもしっかりと台風対策は必ず行っていきましょう。冒頭でも述べたように、コンクリート造にすることは非常に効果的な対策です。しかし、RC造でも窓ガラスがそのままでは無防備になってしまいますので、雨戸やシャッターなどで台風に備えたり、万が一ガラスが割れても飛散しないように合わせガラスや飛散防止フィルムを取り入れてみて下さい。