ミニマルデザインの持つ魅力

Manami Sakaguchi Manami Sakaguchi
House in Ako, 設計組織DNA 設計組織DNA Casas minimalistas
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ミニマルデザインとは簡単に言えばシンプルなデザインスタイルということ。シンプルな美しさはいつの時代にも美的感覚として存在しています。そしてそれを意識的に取り入れようとする考え方は、実は古代ギリシャの時代からあったと言われています。日本文化にも深く根ざしていて、日本特有の「禅」や「侘び寂び」という価値観にはミニマリズムの本質が凝縮されているのです。そんな必要最小限の機能に絞って設計されたミニマルデザインの住宅を紹介いたします。

シンプルさゆえの美しさ

こちらは神戸市北区に建つ、兵庫県を拠点に活動する和泉屋勘兵衛建築デザイン室が手掛けた住宅です。日本特有の禅寺の石庭はそこには限られた空間の中に石が配置されているだけでフリルは一切ありません。極限にまで極められたシンプルさゆえに、美しさの本質が際立っています。こちらの石庭も同じです。四方が住宅街で囲まれた中でミニマリズムが凝縮された石庭を取り入れることで「静」なる空間を創り出し、シンプルな美しさが際立っています。

木の味わい

homify Casas minimalistas

こちらは東京を拠点に活動するすずきが手掛けた、美容室を営むお母さんと執筆活動を続けるお父さんのための仕事場兼住宅です。マッスとボイドで構成されるシンプルな平面はダイアグラムを二つ重ねた計画となっており、まるでひとつの木の塊から削り出して作り出したかのような外観となっています。ミニマルデザインとして使用する木の素材は、自然の木目をあらわにして使用されることが多いのです。

photo by Kenta Hasegawa

木の温もり

こちらは福岡市郊外のゆったりとした住宅地に建つ、木を使ったかわいいミニマムデザインの住宅です。福岡県を拠点に活動するSOLA SEKKEI KOUBOUが手掛けました。太陽の熱や光を大切に活用できるように、また夏の涼も考えられた、シンプルなデザインの中に様々な工夫が施されている住宅です。低炭素住宅の福岡市第1号として認定されました。

シンプルな箱から溢れる光

こちらは埼玉県川越市の間口4m、奥行き17m弱の極細敷地に建つ住宅です。東京を拠点に活動する株式会社 FAR EAST が手掛けました。シンプルなデザインは難しく、シンプルすぎると単調になってしまい、おしゃれではなくなってしまいます。そんな中で開口部を大きく取ることによって、柔らかな光が溢れ出しシンプルさが際立つおしゃれな住宅となりました。

photo by Nobumitsu Watanabe

シンプル且つクリアによる清々しさ

こちらは大阪府住吉区に建つ、大阪府を拠点に活動するADS一級建築士事務所が手掛けた住宅です。コンクリートの箱の上に軽量鉄骨の架構を組み、道路面に跳ね出す形で乗っているRCと鉄骨の混構造です。太陽が沈み出すと、部屋に灯りがともりファサードがそれによってほんのりと浮かび上がるのが素敵です。シンプルかつクリアにすることで、それによって生み出される美しさ、清々しさ、わかりやすさがミニマルデザインのメリットであり大きな魅力なのだと思います。

想いを伝えやすい

こちらは京都を拠点に活動するDEN DEN ARCHITECTUREが手掛けた住宅です。工場地帯ということで汚れ防止のために外壁は光触媒塗装とわざと斑ができるようなウレタン塗装を吹き付け仕上げられています。そうすることで綺麗に造り上げるだけではなく、自然そのままの素材と対比させることでそれらの素材が共鳴し、その空間が深さを持つのだという想いが詰まった外観となっています。伝えるメッセージに対して極力ノイズを避け、シンプル且つクリアにすることがミニマルデザインの持つ力なのです。

馴染みやすい

こちらは愛媛県今治市の小高い丘の上に建つ住宅で、東京を拠点に活動する有限会社MUFFが手掛けました。周辺が2階建て住宅が建ち並ぶ画一化された街並みの中、平屋であるがゆえにやや大きな平面となってしまうが圧迫感の少ない佇まいとなるよう、大小3つの筒が寄り添っているような構成にされています。住宅は周りの環境も配慮してデザインされなければならないものです。その中でミニマルデザインは周りを壊さず、馴染みやすいデザインといえるでしょう。

個性を出しやすくする

こちらは福岡県を拠点に活動する松岡健治一級建築士事務所が手掛けた住宅です。シンプルかつコンパクトな住宅に住みたいというクライアントの要望に答えた建物となっています。建築家が色々装飾するのではなく、クライアントがもつセンスや生活スタイルを際立たせられるようにと考えられました。確かに同じ建物でも住む人が違えば、そこに住んでいる人の味が出てきます。ミニマムデザインは人それぞれ持っている個性を出しやすくする効果があるのだと思います。

写真撮影:針金 洋介

強度と安定

こちらは札幌市西区に建つ、北海道を拠点に活動する畠中秀幸×スタジオ・シンフォニカ有限会社が手掛けた住宅です。シンプルな白い直方体の建物となっています。なぜなら、正方形を基調とした空間構成にすることで最小限の構造材によって物理的な強度と安定を図れるからです。シンプルであるということは余計な装飾はつけないということ。それゆえに低コストで安定性のいい美しい建物が出来上がります。

シンプルさの追求

こちらは東京都足立区の診療所に併設する託児所で、石嶋寿和/石嶋設計室が手掛けました。外観は、白い箱に子どものプライバシーを重視した高さに配置された開口が特徴的なファサードとなっています。これぞ徹底したシンプルさの追求といえるでしょう。
写真:小笠原岳写真事務所

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