風景に溶け込む家

今回紹介する家を手がけたのは建築事務所の間工作舎。家の敷地は大阪府の箕面市にあります。家の設計を依頼したのは都心のマンションに住む家族。都会での暮らしの中で自然を身近に時間を過ごしたいと思っていました。そこで自宅から車で40分ほどのところにある自然豊かな環境に、もう1つの家を建てることになったのです。

家が建てられたのは近くに山が迫る土地。周りは木々の緑で覆われ、美しい風景が広がっています。そんな風景の中に建つのは木の外壁が美しい建物。窓以外の壁は木目が美しい木の板で覆われており、ナチュラルな印象を感じさせてくれます。家はこじんまりした幾つかの建物が集まった形になっており、まるで小さな集落のように見えるでしょう。建物は周辺の景観を乱すことなく、山あいの風景に上手く馴染んでいるのです。

このような家を構成するのはキッチン、トイレ、お風呂、収納、和室、そしてトイレを備えた建物。各建物には多くのガラス窓が設けられており、外に広がる自然を室内にいながら楽しめるようになっています。もちろん大きな窓は外の光を家の中へと導き、明るい印象を生み出してくれることでしょう。

リビングルームとダイニングがある建物は、特に強い印象を与えてくれます。そこにあるのは大きなガラス窓。壁の様々な位置には窓があるため、常に外の風景が目に飛び込んできます。ここでは、まるで外にいるような感覚を感じられるでしょう。床はモルタル塗りになっており、木の板の外壁や周りの自然とは対照的に都会的な印象を生み出しています。そのため単純に自然を身近に感じるだけでなく、モダンな雰囲気も楽しむことができるのです。

リビングルームとダイニングの横にあるのは和室の空間。小上がりの一段高くなった床には畳が敷かれています。そこから見えるのは窓に切り取られた山あいの風景。それは和室に風情を与えて、和の雰囲気を生み出しています。そんな部屋ですが、窓を障子で隠せるようになっており、夜になれば寝室になります。そして、自然を身近に感じながら眠りにつくことができるのです。

このような家では自然を身近に感ることができます。ですがそれだけに留まる訳ではありません。ガラス窓は明るい空間を生み出し、モルタル塗りの床はクールな雰囲気を感じさせるのです。このような住まいであれば、たとえ週末だけであっても、日々の疲れを忘れて、安らぎの時間を楽しむことができるでしょう。