ファサードのデザイン性は、街歩きが好きな方、建築に興味がある方にとってとても気になるポイントなのではないでしょうか。道行く多くの人達の目に留まることになる外観は、暮らしていくことにおいてはあまり重要ではないかもしれません。しかしファサードは街を構成する大事なデザイン要素といえます。外観にもこだわりを詰めてみませんか?今回は、そんな素敵な外観を持つお宅をご紹介していきます。
ファサードは家の顔。多くの人の目に触れるため、屋内での過ごしやすさというよりは、外へのアピールとしてのデザインという意味合いが強くなります。暮らしやすさにこだわるのであれば、外観は特に重要と考えないかもしれませんが、遠目から自宅の美しさが分かると、ちょっと誇らしい気持ちになりませんか?町並みや景観に呼応する形にすると、その美しさは際立ちます。こちらのお宅では、背後の山や緑の木々に焼杉のファサードがしっくり馴染んでいますね。
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※ 家の写真ページ
家の外観は、当然のことながら、内装の可能性を反映するものとなります。こちらは大阪の建築家・間工作舎の手によるお宅です。一見小さな伝統的な家屋が寄り集まったようなデザインですが、LDK空間をガラスのファサードとすることにより、とてもモダンで不思議な雰囲気のある家となっています。夜、照明が灯るとよりそのユニークさが際立ちますね。屋内にいながら外とつながっているかのように感じられる素敵なデザインです。
Photo: 高野友実
都市部や住宅地などに家を構える場合、プライバシーの確保は欠かすことのできないポイントとなりますが、それに加えて自然を身近に感じられる仕掛けもほしいもの。こちらのお宅では、屋上緑化がほどこされています。庭から屋根へと張り出した梁は、夏場にはグリーンカーテンとして利用ができるのだとか。そうすることにより、庭の緑と屋根の緑がつながって、文字通り緑に囲まれた家へと変身します。
【ファサードについては、こちらの記事でも紹介しています】
家の形は、建築資材の強度や質によって、さまざまに変化する可能性を秘めています。そうした変化に伴い、公共の建物だけでなく、個人の邸宅にも大胆なデザインが取り入れられるようになってきました。こちらは被衣の家と名づけられたお宅。隣家に囲まれた旗竿地という立地ゆえにプライバシーを確保しながら通風と採光が十分になるようデザインされています。名前の通り大きな布を掛けたような大屋根が美しい曲線を描き、思わず見入ってしまうようなファサードを実現しています。
Photo: 笹倉洋平 / 笹の倉舎
家の形は伝統的なものであっても、そこに取り入れる素材によって、見た目の雰囲気はかなり大きく変わります。こちらは、ごく一般的な切り妻屋根を持つお宅。手前には箱型の空間が隣接していますが、いずれもコンクリートでできているため、伝統的な形のようでどこかモダンな雰囲気が漂っています。ミニマルながらも、一度見たら忘れられないようなインパクトが感じられる外観ですね。町並みにもしっくりなじんでいます。