ここ数年、手頃な中古のマンションを買ってリノベーションをするという選択が日本でも当たり前になりつつあります。まだまだ耐用年数に至らないマンションをリノベーションによって蘇らせ、個人のライフスタイルとセンスに合ったお洒落な空間に変身させる。今回は新しいものと古いものをうまく融合した斬新なリノベーションの例を紹介したいと思います。
建築事務所、.8 / TENHACHIが手がけたのは67㎡という決して大きくはないマンションを住み手のライフスタイルを空間いっぱいに反映したプロジェクトです。まず部屋全体をスケルトンにし、コンクリート梁を剥き出しにすることで天井高を上げています。ビンテージ感のあるテイストが個性的ですね。
キッチンはあえて「見せる」収納とし、賑やかで楽しい雰囲気です。機能性が重視されたオープンな構成は家族の対話をより増やしてくれるでしょう。キッチンカウンター、ダイニングテーブル、そしてワークスペースが一枚の木の天板でつながっています。異なる椅子を並べても全く違和感がないですね。テーブルの下は収納スペースです。限られた面積を有効に利用するアイデアの1つです。
以前のキッチンは壁に向って料理をしなければなりませんでした。オープンな空間ではあるけれども、家族の対話を活発にする仕掛けに欠けていたのではないでしょうか?
寝室と浴室が隣り合わせで、スケルトンになったマンションに入れ子構造として配置されました。リビングスペースから1段下がったこの居室は上部にロフトを設けているので、必然的に天井が低く抑えられていますが、ベッドを低くしたりニッチを利用した収納スペースを設けることで、機能的かつ心地よい空間になりました。リビングスペースの斜め張りのフローリングに対して寄せ木張りのフローリングになっています。ちょっとした工夫で空間に変化をもたらします。
年季の入ったコンクリートと重厚な木壁のコントラストが映える空間です。天井を這うダクト類がインダストリアルな雰囲気を出してくれています。床は既存のものでしょうか。潔いセンスが光るクローゼットスペースです。
限られた空間だからこそ、家族の距離が近い。光あふれる室内で子どもものびのびと育っていくのでしょう。開口上部に設けた棚、天井に取り付けたスポットライトなど、自宅をカフェ風に改装したい人には大変参考になるのではないでしょうか?
こどもは案外狭いところが好きです。寝室スペースの上部を利用したロフトはちょっとした「秘密基地」ですね。家族の距離がほどよく保てるちょっとした工夫が子どもの自尊心を育ててくれるのかもしれません。
浴室のボックスは外側に床と同質の木材がやはり斜めに張られている個性的な空間です。置き型のバスタブが素敵ですね。内壁は湿気や水はねなどに対応したマテリアルで仕上げられています。
シャワーブースが別にあるというのは便利ですね、全体を白で統一しています。洗面台は機能的でミニマムなデザインです。剥き出しのコンクリート天井から独立していることで入れ子構造が強調され、空間のダイナミズムを生み出しています。
好きなものを飾った玄関口。この先どうなっているんだろうと想像をかき立てるようなエントランスが今まで隠れていた建物の味のある古さによって生まれました。
【リノベーションについては、こちらの記事でも紹介しています】
※ 新築vsリノベーション。比較することで見えてくるそれぞれの良さ
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