屋上緑化を始める前に知っておきたい基礎知識

Takashi Sasaki Takashi Sasaki
Spiral roof, 工藤宏仁建築設計事務所 工藤宏仁建築設計事務所 Casas modernas
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屋上緑化と言えば以前は商業ビルなどを中心としたコンクリート造の建物が中心で、木造の住宅ではほとんど採用されることがありませんでした。しかし、年々技術開発やバリエーション、環境に対する意識が高まっていく中で、最近では木造の住宅においても採用する例が見られるようになってきました。そこで今回は、住宅において屋上緑化を始める前に是非知っておきたい基礎知識を紹介していきたいと思います。

屋上緑化の効果

屋上緑化が住まいにもたらしてくれる効果についてまず見ていきましょう。その一番の効果は、屋根面に自然の断熱層を生み出してくれることです。屋上緑化では屋根に土壌が敷かれることから、その土壌層が断熱効果を発揮してくれることで、室内の温度変化が軽減されることにつながります。また、ヒートアイランド現象の緩和や急激な雨水流出の防止などといった都市スケールでの環境的な効果も期待できます。さらに、ガーデニングを楽しむような大きなが確保できない場合でも、屋上に緑のスペースを設けることで、広々とした余裕のあるガーデニング空間を手に入れることもできます。

写真:鳥村鋼一

防水と防根

屋上緑化をする上で非常に重要となるのが屋根の防水です。また、樹木の根は防水層を突き破って躯体まで根を張ってしまうこともあるため、根に対する対策を行っていくこともとても大切です。植える草木の種類をあらかじめ検討し、それにあった防水の種類や防根対策を行っていきましょう。防水については、「防水工法のそれぞれのメリット・デメリット」も参考にしてみて下さい。

荷重について

草木を植える際に必要となる土壌ですが、その土壌の厚さは芝生であれば数センチ、低木・中木であれば数十センチなど植える草木の種類によって異なります。しかし、その土壌の厚さが厚くなるほど、建物が受ける荷重は大きくなり、建物の積載荷重を超えてしまうこともあります。その点については、建築家とあらかじめ相談しながら、希望の草木が植えられるように計画的に進めていきましょう。

排水について

土壌があるからといって屋上緑化の排水を怠ってしまうと大変なことになってしまいます。あくまでもそこは屋上であるので、近年の集中豪雨のような大雨を想定しながら排水を上手く行っていきましょう。排水が上手くされないと、最悪の場合室内へと雨水が浸入してしまうことも起こり得ます。排水の流れを把握しながら水をコントロールし、排水口も落ち葉や土が詰まっても掃除がしやすいような設置を考えていきましょう。

写真:イメージグラム

草木の配置計画

屋上緑化で落葉樹を植えたいという方は、建物の縁は避けて内側に配置していきましょう。その落ち葉が雨どいに溜まってしまったり、近隣の敷地に落ちてしまわないようにするためです。また、植物それぞれの成長スピードを把握しながら、全体のバランスが保ちやすいような草木の配置計画をしてみて下さい。こちらの株式会社 髙橋造園土木が手掛けた42種類にも及ぶ樹木が植えられた屋上庭園のように、四季折々の風景が楽しめる屋上緑化を是非試してみて下さい!

屋上緑化での水やり

日当たりの良い屋上は、同時に風も強く吹くことから乾燥しやすく、屋上緑化での水やりは思ったよりも大変かもしれません。水やりで土の表面が濡れていても、しっかりと土の中にまで浸透していないと、根が土壌表面に集中してしまい、乾燥に弱い草木になってしまいます。屋上緑化での水やりではしっかりとたっぷり水をまいてあげることが大切です。自動で灌水してくれる設備を取り入れれば、日々の水やりの負担をなくすことができますし、草木の成長にも良いでしょう。

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